弁膜症患者の日記

僧帽弁閉鎖不全症(前尖の逸脱症) を治療する過程

弁膜症手術から約4年が経過

現在の状況と、手術に関する重要な記録を書き忘れていたので書き残しておく。

 

 

 

私の手術は朝10時~夕方5時か6時くらいまで続いたらしい。

弁形成手術では、3回だけチャレンジがあり、1回のチャレンジで「心肺停止(人工心肺装置)→形成→心臓に血液を戻して心肺再開→逆流具合をチェック」までをセットでおこなう。

もし最後の逆流具合のチェックで問題が見つかったりや改善の余地があれば、またこの一連の流れを繰り返す。

患者の体力的に、3回が限度と言われており、私の場合は3回目のチャレンジまでやったとのこと。

事前に、難しい手術と聞いていたので形成が成功するだけでもありがたいこと。

目が覚めたのは夜の11時か12時ごろ。

 

 

 

4年たった現在では、1年に一度の心エコー検査。

midレベルの逆流はずっとあるが、悪化していないので良い方なのだと思う。

また、心電図検査でもC判定の異常が毎回見られる。

自覚症状としては不整脈とまではいかないが、期外収縮が1日に何度もあり、その頻度が増えているのが気になっている。

 

医者が言うには運動もまったく問題なくして良いとのことだが、心拍数を上げると期外収縮が起きやすく、気持ちが悪いのであまり筋トレや激しい運動をする気にならない。

 

また、弁膜症患者のブログでも散見された症状に閃輝暗点が挙げられていたが、私も手術後から閃輝暗点が1ヶ月に一度くらい定期的に現れるようになった。ここ最近、ようやく2,3ヶ月に一度くらいに頻度が落ちてきた。ただ、医者に言っても、閃輝暗点と心臓との関連性は認められておらず眼科に行けとのことだった。

 

 

担当医から去年言われたアドバイスが結構重要なことで、もっと早く教えてほしかったことがある。

それは、カゼ、怪我、虫歯が弁膜症形成手術後の患者にとってもリスクになるということ。

理由までは聞かなかったが、おそらく心内膜炎のリスクではないかと思う。

心内膜炎リスクは重度の弁膜症患者と、人工弁処置済みの患者のみのリスクだと思っていたから、そんな重要なことはもっと早く言ってよ、と思った。

 

どうりで、歯医者の定期検診で毎回8錠もの抗生物質を飲まされるのを不思議に思っていたが、リスクの話と合点する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

手術から3ヶ月が経過

退院~退院後3ヶ月に起きたことなど。

  • 経過は良好
  • 睡眠時間が増えた
  • 手術痕の周辺が毛深くなった
  • ドレーンの痕が意外と目立つ

2点目と3点目は自分は気にならないが、女性の場合は気になるかも。

睡眠時間は平均9~10時間になった。もしかしたら薬の影響かも。弁膜症になるまでは7~8時間程度だった。

 

 

心理的な変化もあった。

短絡的な快楽を選択しがちとなり、長期的な計画や大きな目標に基づく行動をとらなくなった。

例えばゲームや自慰にかける時間配分がかなり増した。

病気する前から会社を辞めていたので時間に余裕はあったものの、大きな目標のために使う時間もそれなりに割いていた。

この変化の根底には、「今楽しんでおかなければまたいつ死や病の恐怖に怯える生活になるかわからない」といった漠然とした焦りみたいなものがある。自分の病気はそこまで命の危険がなかったにも関わらず、病気を治すまでの間はほとんどの娯楽が心の底から楽しめず、どちらかというと気を紛らわす感じだった。

あるいは、数ヶ月間の不安から脱出した反動で、埋め合わせ的に短絡的快楽へ集中しているのかもしれない。

 

 

逆流再発をしないためにどういう生活習慣と運動を心がけるべきか、お医者さんに聞いてみようと思う。

逆流再発を気にするよりもそれ以外の生活習慣病などによる病気の対策をとるほうが有益なのかとか、そのへんが気になる。

 

2度目の経食道心エコー検査では苦痛を完全に回避できた

2度目の経食道心エコー検査を受けたが、前回酷い目にあったので、今度は対策していった結果、無事、苦痛なく終えることができた。

やったことは、口頭ではなく、紙で鎮静剤の量を増やすようにお願いした、というだけ。

前回は口頭で、しかも医者ではなく看護師に伝えてしまったため、後でやってきた医者にはそのお願いが伝えられることがなかった。

今回は前回そういう経緯があり大変な苦痛があったので今回は鎮静剤の量を増やしてください、という3行程度の簡単な文章を小さなメモ用紙に書いて渡した。

紙に書いて渡すと、看護師の反応も全然異なり、では今回は鎮静剤増やしますね、とはっきり言ってくれた。

 

 

手紙以外にも成功理由はあるかもしれない。

前回は医者(検査を行う人)が来る前の状態で、看護師2名のみだったが、今回は看護師2名に加え、検査の助手を行うと思われる医者もいた。この助手の方は鎮静剤を投与する責任者だったらしく、つまりこの方に直接鎮静剤の件を伝えることができたという点。

 

また、術後の経食道心エコー検査は術前のものに比べて短時間で終わることが多いらしく、この点も検査中に覚醒しにくい要因になっていたものと思われる。

 

 

ちなみに、経食道心エコー検査には、「3D経食道心エコー検査」と普通の「経食道心エコー検査」の2種類があるらしく、3Dの方が侵襲性が大きい。

言われてば、最初の経食エコーで検査中に目が覚めた時、直径10mmほどのプローブが2重螺旋になっているのが見えたが、あれは2chでエコーを出すためにそういう構造になっていたのか・・

 

手術入院、手術当日、手術後5日までの記録

手術前入院

手術2日前に入院。

経食道心エコー検査はすでに別の日程でやっていたので、ほかは大した検査なし。

剃毛の指示はなかったが、家で全体的に剃って入院した。手術翌日とかは陰部を拭いてくれるので、その時のためにも剃っておいて正解だった。

 

前日は手術前の説明がたくさん。経食道心エコー検査の結果、どうやら自分の弁や腱索は特殊で割と形成が難しい部類に入ることがわかったらしい。執刀医の先生の話では90%くらいの確率で形成で終わらせる感触。さらに形成が成功しても、術後の経年劣化などによる逆流再発もある程度頭に入れておかないといけない、ということらしい。

手術では、形成→逆流テストを3回まで繰り返すらしい。この1度のサイクルが1時間以上かかる。なので早ければ30分の心肺停止で終了するが、長ければ4〜5時間の手術時間になる。4回以上のトライは身体への負担が大きくなるので、3回目でうまくいかなければ機械弁になる。

 

思ってたより難しい手術になりそうだということが前日になって分かって不安になったが、それでも手術に対する不安は術後の痛みなどに対するものが大半だったので、その点については変わらず、前日は眠剤もなく眠れた。

夕食も普通に食べた。夕食後は、ポカリみたいな経口補水液を500mL渡され、それを朝7時までに飲み干すように指示された。最近の手術ではこうやって術後の脱水症状を緩和するとのこと。

 

手術当日

当日は手術用の服に着替える辺りから緊張し始めて脇汗がやばかった。手術台に自分で上って、いろいろ準備が進み、麻酔で意識を失った。ここまでほぼ苦痛なし。

 

午前10時に手術開始で、最初に目が覚めて時間を聞いた時の時刻が午後10時くらいだった。

 

手術後は朦朧とした意識を取り戻すが、危惧していた脱水症状や気管内挿管はほとんど苦痛ではなかった。胃の管を抜く時に少しオエってした記憶があるが、この時は全体的に意識レベルが低いのでほとんど苦痛はない。

水を飲みすぎたせいか、ゲロゲロっとなったが、このときも突然吐き気がやってきただけで、通常の嘔吐と比べるとほとんど苦痛はなく一瞬で終わった。

結論としては、当日は意識が朦朧としていて何か1つの大きな苦痛に苛まれることはなかったが、体の様々な不自由や不調からくるストレスの総量が大きく、長期的にジワジワ蝕まれるような苦痛だった。

体を動かして寝返りを自由にできないのは初めて経験で、ストレスのあまり、弾性ストッキングをボロボロに破ってしまった。

 

手術翌日

翌日の最大の悩みは、息をするたびに傷が痛んでまともに呼吸ができなくなるということ。このせいでほとんど眠れなかった。これも集中的な苦痛ではなく、長期的にジワジワとストレスが溜まってくる。

そして睡眠不足のせいで次の日のリハビリも調子が入らず、悪循環になった。リハビリと言っても最初は立ち上がるだけ。でも立ち上がると姿勢が変化するので色んな巡りがすごくよくなる実感がある。

 

ベッドではほんのちょっとした 角度や姿勢の違いで劇的に気分が良くなったりするので、そのベストポジションが見つかればしばらく眠りにつける。

 

手術2日後

この日の最大の悩みは痰が咳き込んで眠れなかったこと。手術後に痰が出ること自体は普通のことらしく、同時期に手術を受けた患者はみんな夜中も痰をきるのに必死という感じ。

自分の場合は手術後の痰に加え、慢性鼻炎の中でも喉の奥に常に流れ込んでくる後鼻漏というタイプの疾患をもともともっていて、これも対処しなければならなかった。

手術後に来る痰は一回親玉みたいなのを排除すれば数十分〜数時間は楽になれるが、鼻炎の後鼻漏は数十秒おきに流れてくるので超絶うざかった。

普通なら横向きやうつ伏せに寝ることで回避できるが、この時点では横向き寝ることもできず、椅子に座ったまま寝るしかないという酷い状況だった。

 

手術3日後

前日もよく寝れず、くまもすごいことになっていた。

体調も優れず、立ち上がるだけで不整脈が起きてしまった。

リハビリで自転車をやったが、開始早々不整脈が生じ、中止しても不整脈が止まらなくなった。

自分の不整脈の場合、危険なタイプの不整脈ではないとのことだったが、その日はベッドで横になり抗不整脈薬を点滴。初めての持続的な不整脈でビビりまくっていたが、手術後にはよくあることらしい。

 

手術後4日後

前日は手術後初めてまともにまとまった時間眠れたので、体調がいろいろ回復した。

このころには傷の痛みや痰による呼吸への影響はほとんど軽減しており、がんばれば横向きに寝られる。

ただし、不整脈が起きる前の感覚があって、リハビリやちょっとした姿勢の変化を作るのも億劫になってしまった。

 

手術後5日後

睡眠をしっかりとれたせいか、リハビリもまともに行えるようになってきた。

ブログを書く余裕もこのころでてきた。

 

 

手術1週間後

数日に経食道心エコー検査があり、そこで問題なければ退院できるとのこと。

最後にとんでもないやつがきてしまった。

正直、今回の手術で最大瞬間苦痛は間違いなく経食道心エコー検査だった。前回は途中で目が覚めて散々な思いをしたので鎮静剤の量を考えてほしいと懇願したが、微妙な反応だったので、たぶんまた地獄を見るのだろう。

 

 

苦痛とその対処一覧

  • 経食道心エコー検査による嘔吐反射:鎮静剤量を増やしてもらう
  • 術後消化器が弱っていることによる吐き気、食欲不振:無理して食べない
  • 傷の痛み:鎮痛剤もらう
  • 傷の痛み→息がしにくい→睡眠不足:ベッドの角度をいろいろ変えて楽な姿勢を見つける
  • 傷の痛み→全身でかばうので肩や胃の辺りが疲れる:肩をたたいてもらう
  • 痰→息がしにくい→睡眠不足:横向きで寝れるような姿勢を探す、眠剤をもらう
  • 自由な姿勢をとれない→身体的ストレス→睡眠不足:ベッドを蹴ったり、どこかの筋肉を激しく動かす
  • 不整脈:抗不整脈薬をもらう、無理なリハビリをしない

 

新型コロナの影響で家族の面談が術後1日目しかうけれなかったが、その時の肩たたきがかなりの効果があった。

できれば病院専属のはり・きゅう・マッサージ師があり、有料でいいのでいつでも頼める体制になっていると、睡眠不足解消など回復に大きな効果があるのではないかと思う。

 

 

 

経食道心エコー検査が地獄だった件

1ヶ月ほど前に胃カメラやって鎮静剤を使えば全く苦痛なく寝ている間に終わることがわかっていたので今回も楽勝と思っていたら、予想を裏切られ地獄の苦しみを受けた。

 

念を押して「自分は嘔吐反射強いんで鎮静剤たっぷり盛ってくださいね」と看護師にお願いした。わかりましたーと返事は頂いたものの、肝心の検査技師はその時にいなかった。来てから直接伝えようと思っていた。待っている間にゼリー状の喉麻酔とスプレーの喉麻酔をやった。前準備は胃カメラの時とほぼ同じだが、スプレーで喉に吹きかけるときにオエッとなった。前回の胃カメラの時にはオエってならなかったので、不安が募る。

いよいよ検査技師の方到着となった時には、すでに口にマウスピースを固定されしゃべれなくなっていたので、直接鎮静剤の量をお願いすることもできないまま始まってしまった。

 

 

鎮静剤投与前に「1.5を入れて様子を見てプラス1」というやり取りが聞こえた。どこかのブログでは、4投入して完全に無意識下で完了したと報告があったので、2.5では少なすぎるんじゃないかと思ったが、マウスピースでしゃべれないのでなるように任せた。しかしこれは失敗で、マウスピース外してでも4投与してくださいと言うべきだった。

最初の投与で眠れず追加で投与しそこで眠ったのでおそらく2.5が合計投与量だと思うが、5分かそこらで目覚めてしまった。それでも、一番苦痛と言われる挿入時の苦痛は避けることができたのはまだ良かった方なのかもしれない。

 

覚醒して初めてカメラの管の太さを目にした。人指し指くらい太さの管が2本螺旋状に束ねてビニール的なもので覆われていた。太すぎる。

覚醒してからは、医者がカメラを動かす度にオエオエを繰り返す。つばを飲み込んでもオエオエするので、普通ならパニックになるところだが、鎮静剤の影響かそのうち平常心を少し取り戻すことができた。もしくは、単純に、ずっとオエオエしてるとそのうち慣れてきたのかもしれない。

どうすればオエオエしないかを考える余裕はできてきた。事前にブログで予習していたような楽な姿勢とか腹式呼吸とか試したが、全く効果はなかった。

 

オエオエにもレベルがあり、歯ブラシが喉にあたってオエってなる軽度のものから、一番ヤバいやつだと、胃からゲロゲロ音がして嘔吐するため体が丸くなる反応がでるものまである。

抜く時が一番きつかった。

 

オエオエする度に看護師さんが「鼻から息を吸ってー 口から吐きますー」と声をかけてくれるが、苦しい時はこの声にもすがる思いだった。欲を言えば、背中をさすってほしかった。

 

終了する頃には、涙と唾液でぐしょぐしょになっていた。

 

医者は申し訳なさそうに、「ごめんなさいねー。あんまり鎮静剤打つと誤嚥が危ないんでねー」と軽く弁解してたが、これは納得のいく理由ではなかった。

まだ心臓手術後の合併症を考慮してということならわかるが、検査入院の段階なら誤嚥リスクは胃カメラの時と同程度だと思うのだけど・・・

 

とにかく医者や病院によってこの辺の考え方、患者の苦痛か合併症リスクの何を優先するのかが大きく異るということがわかった。

 

ただ、地獄の苦しみを受けた後の解放感はすごく、ここが今回の闘病の苦痛のピークだと思えば、手術後の恐怖が多少和らいだ。人によってはほとんど何の苦痛もなくICUを抜ける人もいるようなので。

 

 

 

 

再手術回避率を加味した手術死亡率のシミュレーション

具体的にイメージしやすいようにDr.AとDr.Bの2人の医者について考える。

再手術回避率の影響を具体的にイメージしたいので、再手術回避率以外は同じ成績とする。

手術死亡(Dr.A):1%
手術死亡(Dr.B):1%
再手術死亡(Dr.A):7%
再手術死亡(Dr.B):7%
再手術回避率(Dr.A):70%
再手術回避率(Dr.B):90%
再手術で機械弁置換による生活の質低下等を死亡率換算:1%

 

Dr.A
0.01 + (1-0.7) * 0.07 + (1-0.7) * 0.01 = 0.034

Dr.B
0.01 + (1-0.9) * 0.07 + (1-0.9) * 0.01 = 0.018

という感じで、Dr.Aの3.4%に対して、手術回避率が20%良いDr.Bの場合は1.8%。

こうしてみると結構でかい。

 

機械弁置換(によるワーファリン)がその後の余命にどの程度影響を与えるかあまり調べていないが、自分の祖父はワーファリンが原因で脳梗塞になったと聞いている。打撲で内出血し、翌日、血の塊か何かが脳へ巡って脳梗塞で全身麻痺となってしまった。意識だけは健常者レベルではっきりしていたので、亡くなるまでの数年間は身動きのとれない体へ閉じ込められ、極めて精神的苦痛が大きかったのではないかと思う。

脳梗塞が起きると生存できたとしても重い障害が残るので、自分は機械弁置換でワーファリン漬けの人生は重くみている。

 

 

高梨秀一郎先生(川崎幸病院)へセカンドオピニオン

セカンドオピニオン

病気について気になっている点を高梨先生にメールしたところご本人から直接回答をいただけた。

形成術の再手術回避率の成績が驚くくらいすごかった。

具体的な数値は公開の承諾を受けていないので気になる方は直接メールで聞いてみるとよいかと思う。高梨先生の公式サイトの一番下にメアドがある。

 

ちなみに自分の場合前尖だけが逸脱しているので、10年以内再手術回避率は一般的に70%~80%程度と言われている。後尖単独の場合は80~90%が一般的らしい。

形成術の再手術は死亡リスクが7%程度と言われているので、トータルで見たときの死亡率を考えると再手術回避率は手術成功率と同様にとても重要な指標だと思う。

しかし同じ病気の患者ブログを見ても、再手術回避率を重視してドクターを選んだと報告している人は見当たらず、この方針があっているのか不安ではある。

 

また、高梨先生に手術を受けた患者のブログは1件しか見当たらず、どういう雰囲気の先生かもよくわからなかったので直接会って話を聞くためにセカンドオピニオンを受けることにした。

論文をたくさん発表されていて学会では権威のある方のようだったのでお硬い感じの方かと思っていたが、会ってみると気さくな感じで話しやすかった。

 

渡邉先生のところでの検査・診察からの高梨先生へのセカンドオピニオンという体裁だったので、渡邉先生の話になった。同い年らしく、よく知っている感じだった。

「~~という点は渡邉先生の実力はすごい」という感じで、ある意味競合である他院を奨めていると取れるような話もあった。しかし、これは患者の自分からするととても信用が置ける態度に映った。

 

 

封書の中身

セカンドオピニオンを受けるためにニューハート・ワタナベ国際病院からもらったCD-ROMと診療情報提供書。一体どんなことが書かれているのか気になったが、封書で中身が確認できなかった。

しかしセカンドオピニオンの最中に高梨先生の手元の書類は見えたので、診療情報提供書については内容はだいたい把握できた。というのも、ニューハート・ワタナベ国際病院で渡邉先生から診察を受けた時に、説明のために様々な検査結果の書類を頂いたのだが、この時頂いた書類と同じと思われる書類が高梨先生の手元にもあったからだ。

 

その書類とは、血液検査、心エコー検査、胸部X線画像、心電図波形。心エコー検査の所見欄は患者が見ても参考になる情報が書かれていた。尖のどの部位がどのように破損しているのか、どの部位から逆流が主に生じているか、などが書かれていた。

こうした情報があるのとないのとでは、その後のインターネット等での情報収集に差がでてくると思う。

また、心不全兆候を示すと言われているBNP(血液検査の1項目)の値などは、増えているか減っているかを知るだけでも、自分の症状の進行具合がわかる。

 

一番最初に受診した大学病院ではこうした資料はもらわなかったが、できるならすべての病院で提供してほしい。おそらく求めれば頂けるのだろうけど、患者はどういう情報が必要かがわからないので、基本すべて提供してほしい。

 

ニューハート・ワタナベ国際病院で検査・診断・セカンドオピニオン

本来なら別の病院をあたる場合は紹介状があった方がよいらしいが、紹介状を入手するまで時間がかかることと、ちょっと思うところがあり、紹介状なしでニューハート・ワタナベ国際病院に検査・セカンドオピニオンをお願いした。

というのも、最初の大学病院では、「血液検査(BNP)の値は健常者と同じレベルなので1年以内に手術すれば十分」という診断だったが、その後の症状の悪化具合からしてそうは思えなかったから。もちろんこれは素人判断なので、その医者の判断は間違っていないのだとは思う。

 

しかし、今回の再検査でいろいろ悪化していることがわかり、結果的には再検査してよかった。(紹介状だと前の病院の検査データが参照されてしまい、悪化が発見できなかった可能性が高い。)

弁膜症である以上ある程度の悪化は予想していたが、BNPは基準値の2倍近く、心肥大も少しあり、以前の大学病院では指摘されなかった三尖弁の弱い逆流も見つかった。

当初は春頃までに手術すればいいかなと思っていたが、たった2ヶ月でここまで悪化するなら、すぐにでも手術したいところ。

 

手術は1月中でも可能とのことだったが、それでも2月中の手術でも問題ないレベルの緊急性とのことだったので、念のためセカンドオピニオンを受けることにした。

 

 

今回の検査・診断で一番大きな収穫は、バーロー症候群だと分かった点。

バーロー症候群の場合は、三尖弁もまた同じ形質なので弁膜症になりやすいとのことだった。ただし、今回三尖弁に見つかった弱逆流が、心肥大によるものなのか、先天性の形状異常によるものなのかはわからないとのこと。

大学病院での検査で三尖弁の逆流が指摘されなかったことを考慮すると、心肥大によるものなのではないかという気がする。だとしたら、三尖弁のためにも早めに手術する必要がある。

 

 

 

今回、同じ検査を別の病院で行ったことによって、はじめて実体験に基づいて病院の比較ができるようになった。もちろん、あくまでの患者視点での評価に過ぎないが。

ニューハート・ワタナベ国際病院と最初の大学病院との最も大きな差はスピードで、検査~診察までの時間が、前者では1日で完結したのに対し、後者では4週間以上かかった。

 

次に、執刀医と主治医が異なる点。最初の大学病院の方では、執刀医と主治医が異なるのでどうしても代理人と話している感じが拭えない。ニューハート・ワタナベ国際病院では執刀医かつ主治医の先生が診断~執刀まで一人で対応されているのでその点の安心感はある。

その代わり、最初の大学病院では、心エコー検査は主治医自らが立ち会って検査してくれたので、ちゃんと診てくれてる感があった。

ニューハート・ワタナベ国際病院の心エコー検査は専門スタッフが1名で行ったが、それでも、ベテラン感がすごいあった。「念のためにたくさん撮っておいた」みたいなこと話してくれて、テンプレ通りに撮影したのではなく、患者の病状などを診てある程度の裁量を効かせられる柔軟さがあったのだということが感じ取れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初胃カメラ

胃カメラやったが、ほぼ苦痛はなかった。

いろんな体験談ブログを読むと、鎮静剤は効かない人の場合だと相当苦しい様子だったので、鎮静剤次第だろうとは思っていた。

 

で自分の場合鎮静剤の効き目が良かったっぽく、ほぼは苦痛なく、検査が終わった後に2時間ほど寝てた。

 

不思議なのは、鎮静剤を入れてから検査が終わるまでの間、眠ったという記憶も、目覚めたという記憶も、眠くなったという記憶もなかったこと。

検査は10分くらいと聞いていたが、体感的には1分くらい。いつ始まるんだと怯えていたら、いきなり終わりました、と言われ、「え? 終わり? まだ入れられてないし、それはさすがにおかしいでしょ」とはっきり思った。

でも、眠った記憶はないのに、なぜか夢の中でオエってなったようなボンヤリした記憶だけが残っている。

 

 

この程度の苦痛であれば、全く問題ない。

この調子で、経食道心エコー検査も苦痛なく終わってほしい。

 

 

事前の調べでは、口からカメラ入れるより鼻からの方が楽だと聞いていた。

今回の大学病院では口からの検査のみを行っており、本来なら鼻でやってくれるところを探すところだが、今後の経食道心エコーの練習と思ってあえて口からの検査で臨むことにした。

しかし今回の鎮静剤の威力を体感して思ったのは、口か鼻かということよりも、鎮静剤が効くかどうかの方がはるかに重要な気がした。

それなりに強い鎮静剤を使うには病院側にそれが可能な体制があるかどうかで変わってくる、ということがもしあるのなら、大きな総合病院とかの方が強いのかもしれない。(完全に素人の意見)

 

ドクターと病院のリサーチ

手術を依頼するドクターと病院を選ばなくてはならない。

自分の場合は弁形成が可能なので、弁形成術が上手な先生を見つけたい。

弁形成術は医者の腕次第では再手術を回避できる可能性を上げられるので慎重に選びたい。

 

判断材料1:手術実績数

ブログや本を読むと、執刀医の手術の実績数が重要だと言う意見をよくみる。それも助手としての実績ではなく、執刀医としての実績数が重要。

心臓外科手術の名医と呼ばれているようなドクターは、たいていホームページなどで実績を積極的に公開している。

逆に公開しない医者は実績数などに不安があるなどのネガティブな面が考えられるので、実績を公開しているかどうかは最初のスクリーニングとして有効なのではないかと思う。もちろん、すべての名医が積極的に公開するとは限らないので、そこの取りこぼしには注意が必要。

ちなみに、ドクターごとの死亡率については参考程度にとどめたほうがよいらしい。理由は、名医ほど難易度の高い患者を引き受けることがあるからとのこと。納得。また、緊急手術とそうでない手術は別ものとして見るべきとのこと。

 

自分が調べた限り、次のようなドクターの実績が見つかった。

 

南淵明宏

http://www.nabuchi.com/result/

これまでの心臓外科手術執刀数(1993~2015年)

心臓弁手術
(大動脈弁置換術、僧房弁置換術など)
1370例

 

樋上哲哉

https://www.kobetokushukai.org/about/director_introduction/

術後10年以内の再手術率:2%未満

(略)

術後の僧帽弁逆流の完全制御(逆流ゼロ)を95%以上で達成 

 

 

磯村正

https://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/shinryo/kekkan/staff/1868.html

これまでの7000症例以上の手術経験

 

小宮達彦

https://www.kchnet.or.jp/hdc/surgery/about/director.html

2011年の弁膜症手術数は143例でした。可能な限り自己弁を温存した術式を選択する様にしています。僧帽弁形成術はこの5年間に276例施行しました。変性疾患では、弁形成術成功率は99%です。また大動脈弁形成術を行う病院は日本ではまだ少ないですが、当院では積極的に取り組んでいます。2000年以降に227例の大動脈弁閉鎖不全症に対する手術中、82例(36%)の症例で自己弁温存術式を行ないました。

(略)

弁膜症手術の手術成績は良好で、単独弁膜症手術過去5年間420例の手術死亡率は1.9%です。

 

 

天野篤

https://medical.jiji.com/doctor/1825

これまでに天野医師がこなした心臓手術は約7,500例となる。それほどの数をこなしながらも死亡率の高い緊急手術も含めて98%という高い成功率

(略)

2012年2月に行われた今上天皇の冠動脈バイパス手術では、その信頼感の高さから東京大学医学部との合同チームの一員として参加要請され、見事に大役を果たした

 

 

渡邊剛

https://newheart.jp/achievement/

手術死亡数(術後院内30日以内 ※緊急手術を除く)

手術死亡数 4例 ÷ 手術総数 1343例 = 0.3%

弁膜症だけの手術死亡率を独自に計算すると、2÷949=0.210748155% とかなり低い死亡率だった。

 

https://drwatanabe.exblog.jp/

チームワタナベでは主に僧帽弁形成術(daVinci MVP)、心房中隔欠損症や冠動脈バイパス手術に用い2018年11月末までにダ・ヴィンチの手術は自験例565例あまりを経験しています。うちdaVinci MVPは296例です。

メールでダヴィンチでの僧帽弁閉鎖不全症の実績をご本人に伺った結果(転載許可をもらっていないため、具体的数値は伏せます):

僧帽弁閉鎖不全症にたいする弁形成術手術件数は今年2019年の11月末の状況で、XXX 例です。内ダヴィンチ手術XXX例余りでした。ダビンチ手術の執刀医は全て私です。

(略)

ダヴィンチの手術死亡ありません。

 

 

高梨秀一郎

http://longonlay.com/operation.html

今の病院のドクターには、弁形成術で一番有名どころの先生はこの方です、と教えていただいた。

 

 

判断材料2:病院や手術チームの実績

ある心臓手術の本によれば、心臓外科手術の場合はチームワークが非常に重要で、執刀医だけでなく手術チームの体制も結果に影響を与えるらしい。手術時間や単純ミスなどに影響しそうだということは素人でもわかる。

本によれば麻酔医との連携が特に重要で、執刀医が麻酔医を自由に選べるかは連携性を計る上で重要な質問になるとのこと。

大学病院だとチーム構成に多少不自由があるとのことだが、この情報も最新の事情はわからない。

 

こういった観点も含めると、例え日本一の名医だとしても、どの病院で手術を受けるかも多少考慮した方がよいと思う。例えば病院を移動した直後なんかはチーム体制が未熟でパフォーマンスに多少影響があるのではないかと思う。

 

そこで、個人的には、以下のような病院ごとの手術実績数も参考にし、弁膜症や心臓手術の数が極端に少ない場合は見送るつもり。

https://cs.sonylife.co.jp/lpv/pcms/sca/ct/medical/ranking-mi/01.html?lpk=

 

 

手術チームという観点でみると、ニューハート・ワタナベ国際病院が良さそうに見える。この病院は心臓手術の名医である渡邊先生が作った組織なので、少なくとも執刀医である渡邉先生とその手術チームとの相性はかなり期待できるのではないかと思う。

 

 

判断材料3:再手術率

弁形成術は成功しても、数年後に逆流が再発し再手術が必要となると、その場合はほぼ弁置換になるし、その場合の手術リスクもグンと上がる。

なので、再手術率がどういった具合なのかを聞くのは重要な質問だと思う。

 

この観点で気になっているキーワードが「術中心拍動下逆流評価法」。

僧帽弁疾患の治療においても画期的な開発をしている。それは術中心拍動下逆流評価法というもので、弁形成術の術中に大動脈を遮断しながら心臓を動かして、逆流がないかどうかを確かめることができるというもの。この方法ではその場で弁の状態を確認できるため、術中に微調整ができる。そのおかげでほとんどの例で残存逆流ゼロの完成度の高い僧帽弁形成術を実現している。

https://medical.jiji.com/doctor/1905

この技術による成果なのか、樋上先生は「術後10年以内の再手術率:2%未満」という実績を公表されている。

他のドクターで再手術率を公表する例は見当たらないので比較できないが、この数値はとても重要な指標ではないかと思う。

しかし疑問なのは、10年後に再手術したかという情報をどのように正確に収集しているのかということ。患者によっては引っ越しなどして他の病院で再手術という例もありそうなものだが、その場合は再手術していない患者としてカウントされてしまう。

 

 

また、新しい技術や医療に対する再手術率のデータは不十分なので、正確な再手術率を知ることができないかもしれない。例えば自分の場合は、ダヴィンチを使ったロボット支援下の弁形成術に興味があるが、この方式での弁形成を受けた患者の再手術率はまだそれほどデータがないはずだ。ある程度の経験を積めば、ダヴィンチを使った方が再手術率が下がるなどの傾向があるならそれも参考にできるが、この辺りは直接聞いてみたい。

 

ただ、以下のブログの情報によれば、10年以内の再手術率といわずとも、数年レベルのデータで十分なのかもしれない。

弁形成術で再手術になる場合は、術後すぐに不具合が現れ始めて早期に状態が悪くなってくるらしい。術後数年経ってから、急に再手術というケースはあまりないそうだ。

 

判断材料4:病院の信頼性

ある本によれば大学病院か私立病院かによって、病院内の政治事情も大きく異なるとのことだった。結論だけ言うと、大学病院はオススメしないと書かれていた。理由としては医局という仕組みの問題点や経済合理性が働きにくい環境などが挙げられていた。

しかし、その本が書かれてから20年近く経過しているので、状況もかなり変わっていると思う。

参考:https://president.jp/articles/-/18162?page=2

循環器内科医は、外科手術が必要だと判断して心臓外科医に手術を依頼するわけですが、外科手術が終わって紹介した患者が亡くなってしまったり状態が悪くなって帰ってきたりすれば、その外科医には患者さんを紹介しなくなります。医師は誰しも患者さんに元気になってほしいので、同じ病院内でさえ、心臓外科医の腕が悪いと、その心臓血管外科には患者さんを紹介しなくなるくらいシビアな世界です。逆に、結果がよければ、循環器内科医は、他院の心臓外科医であってもどんどん患者を紹介するようになります。

(略)

最近は循環器内科医がカテーテル狭心症心筋梗塞の治療を行うだけでなく、弁膜症の治療まで行うようになったことから、治療実績や評判の高い施設、医師を以前にも増して意識しているようです。自分たちの手に負えないか、患者さんがそのような施設を希望されれば、ごく自然に任せられる施設への紹介を行っているように思います。

 

判断材料5:手術に伴う苦痛

MICSやダヴィンチを使えば傷口が少なく退院までの回復が早い。また傷口が小さいことによって一部の合併症のリスクも低減できるらしい。

個人的には、傷の痛みは耐えられる自信があるが、術後の息苦しさと吐き気などの内科的苦痛が一番心配。

手術時間や心肺停止時間が短ければ麻酔やその他の薬の影響も少なく患者の負担も軽くなると考えれば、手術の腕や術式は手術後の苦痛の度合いと関係があるかもしれない。

参考:https://satoppe824.exblog.jp/17630245/

上記のブログのようなダヴィンチ手術の体験談はまだかなり少なく、患者の実際の体感がどうなのかがほとんど見えない。

仮にダヴィンチを使えばそれらの苦痛が多少なり軽減されるとしても、そのような短期的なメリットを重視するあまり、長期的なリスク(例えば不完全な形成による逆流再発)を上げてしまうのであれば、短期的な苦痛には目をつむりたい。

 

 

判断材料6:ダヴィンチ手術か開胸手術か

MICSで手術痕を小さくする代わりに整形術の正確性を下げるデメリットがあるという話は理解しやく、この選択なら自分は迷わず開胸手術を選択する。男性なので手術痕は気にしないので、確実性をとりたい。

しかしダヴィンチによるロボット支援下手術は、そういう天秤のかけ方は正確ではないのかもしれない。

十分に熟達した技術があれば、通常の開胸手術よりも正確性を向上させることができるものなのかもしれない。少なくともこのダヴィンチ手術を押しているニューハート・ワタナベ国際病院のサイトにはそう読める文章がある。

僧帽弁形成術を行なうに当たって、ダビンチ手術は最も理想的な手術といえます。
僧帽弁は深く切り立った崖のようなところに位置しているので、胸骨正中切開で正面からアプローチしても、その閉鎖不全状態を観察するのはなかなか難しいのですが、ダビンチ手術なら右横からのアプローチなので、その観察が容易です。
3次元のモニター画像を見ながらミリ単位の操作ができるので、正確に弁を形成することが可能です。術後の弁機能はとてもよく保たれます。
ただし、医師に高度の技術力・経験が求められます。

https://newheart.jp/operation/ope-01-01.html

 

 

否定的意見もある。

https://drwatanabe.exblog.jp/22805331/

これに対する反論も聞いてみたい。

 

結論

どのドクターに手術依頼するかはまだ決めていない。術後10年以内の再手術率を聞いてみないことには判断できない。セカンドオピニオンでは術後10年以内の再手術率を中心に伺って判断したい。

 

 

 

 

自覚症状

弁膜症になって起きている自覚症状

  • 心音異常
  • 動悸
  • 息切れ
  • 胸痛
  • 眠気、睡眠時間が増えた
  • 飛蚊症
  • 視界の一部が太陽見た後みたいな感じになる症状

 

心音異常、動悸、息切れの症状について、その程度や頻度の強さが大きい時と小さい時がある。2周間ごとくらいに波がある。

たぶん、心臓が拡大することで症状が一定のペースで進行しないためではないかだと思う。

 

 

胸痛

胸痛はいろんな種類の痛みがあった。3種類。

1:ビリビリとした鋭利的な痛み。左上の方。痛みは一瞬するだけ。

2:これまで経験したことのない非常に鈍い痛み。10秒ごとに痛みのONとOFFが繰り返され、1分くらい継続する。左の方。痛み方のタイミングがとても機械的な感じで初めての痛みなのでとても不安になった。

3:心臓の中心辺りの痛み。筋肉痛みたいな痛み。

 

動悸

期外収縮不整脈かわからないが、突然、おかしなタイミングもしくはおかしな強さの心拍が起きる。

普通は1度だけだが、これまで5回くらい連続で起きたことが2度あり、このときは超絶焦った。

運動中や興奮中によく起きるが、体調が悪いときは安静時にもでる。

 

息切れ

運動した時にすぐに息が上がったり心臓がバクバクする。

 

心音異常

ザーザーという音が常に聞こえる。

心音そのものも大きくなった。

 

眠気

12時間近い睡眠を3日連続ととることもありました。

 

飛蚊症、視界の一部が太陽見た後みたいな感じになる症状

これは弁膜症と関係あるかわからないが、閃輝暗点という視界の異常は弁膜症の人のブログでよく見る自覚症状なので関係あるかもしれない。

 

 

 

 

 

 

胃カメラ宣告

心臓病とは別で検診をしていて、その結果が返ってきた。

要精密検査が2項目もあった。

膵臓癌腫瘍マーカー(CA19-9)、甲状腺検査(TSH・FT3・FT4)で異常値が見つかった。

頼むからこれ以上病気が見つからないでくれ・・・

 

弁膜症を見てもらっている総合病院にこの結果を持ち込んだところ、造影剤を使ったCT検査と胃カメラ検査が必要とのこと。

自分は嘔吐恐怖症で嘔吐反射が強いので、これまでの人生でオエッってなることは避けてきたが、とうとうやってきてしまった。

 

麻酔して無意識下でやってください、とお願いするも、危険なので決められた量以上は鎮静剤を打てないと言われ、この病院では眠ったままできない雰囲気を察知してしまった。

 

 

それに、来る心臓手術の前には経食道心エコー検査という胃カメラよりもエグい検査が待っている。こちらは意思疎通が必要なので眠ったままできないみたいなので、いつかはやらないといけない。それの練習と思ってやるしかない。

 

 

ちょっと安心する出来事もあった。

その日に採血検査をやったが、大きな病院ということもあって、採血専用の部屋とスタッフがいた。

自分の場合、血管が浮きにくく、採血は寝て行ったり、大きな痛みを伴うことがほとんどだが、ここでの採血は今までの人生で一番迅速で上手だった。

きっと、胃カメラの検査技師の人も、毎日たくさんそれだけを専門にやっている。

ということは、腕は信頼してもいいかもしれない。

 

 

 一方、造影剤CT検査は特別な苦痛はないようだが、吐き気、呼吸困難、死亡などのショック症状が起きるリスクが割と高めで不安。 

 

 

なにはともあれ、別の病気が見つかりませんように

病気のことを家族にどう打ち明けるか

家族に伝えるべきかどうか、伝えるにしてもどのように伝えるかに悩んでいる。

今のところ父にしか打ち明けていない。

 

心配性の祖母には打ち明けないことにした。

この祖母は重度の心配性。何も病気していないのに、運動不足で病気になるんじゃないかと心配で眠れないと、突然電話をかけてくることがあった。

おそらく心臓病のことを伝えると祖母の体にかなり悪影響を与えてしまうので打ち明けない方がいい。

父もその見解に一致した。

 

 

悩むのは母の方。

母も重度の心配性に加え、そして霊感商法的なものへ手を出す傾向がある。

昔、母の義兄弟がガンになった時、母はパニックに陥り、『バイオゴールド』といういかにも胡散臭い布団に数十万円の布団を買って父と大喧嘩したことがあるらしい。

義兄弟の病でこの状況なので、子供のこととなると何が起きるかわからない。

 

いたずらに母をパニックに陥れたくはないが、自分も不安なので、適度に心配はしてほしい気持ちもある。

どうしたら良いものか・・・

 

詳細な診断結果

昨日、医者と面談があった。

事前に与えられていた情報は、「逆流レベルは4段階中最悪」「早めの手術が必要」「今インフルにかかると重症化する」「次の面談では家族も呼んできてください」ということだったので、かなりキツい事実が告げられるものだと思っていた。

しかし全ては杞憂だった。

 

 

まず、手術の緊急性がないことがわかった。

たしかに逆流レベルは最悪だが、心不全の度合いを示す血液検査の結果は異常なしに近いレベルだったことが根拠だという。

自分の場合若いせいで、心臓の予備機能が十分にあるので、そのような結果になるという見立てだった。

これで安心して、冷静に情報収集を進めることができる!

 

次に、一番気になっていた「形成術が可能か」という点についてで、これも可能ということで大いに安心した。しかも、「世の中的には形成術が当たり前」らしく、成功率もかなり高いらしい。

事前のリサーチの印象だと、形成術をとれる場合は限られており、かつ、形成術は医者の腕に大きく依存するというものだった。

だから、弁置換になるものだと想定していた。弁置換ということは、若さ的に機会弁になり、ワーファリンを一生必要とする第一級障害者となる。そうなるとあまり長く生きられないし生活の質もかなり下がる。

この数日間、ものすごく落ち込んでいた。

 

その想定を大きく覆す話だった。

事前のリサーチでは比較的重症度の高い弁膜症患者のブログに偏って情報収集をしていたせいかもしれない。

医者が言うには、弁のどこが壊れるかで手術の難易度も大きくことなるが、自分の場合、A2と呼ばれる上の弁で割と簡単な部分らしい。

ちなみに正式な病名は「僧帽弁閉鎖不全症」の「僧帽弁逸脱症」で、弁が反対側に逸脱している状態。

 

 

今回の診断結果により、死の恐怖と寿命が縮む心配は大きく取り除かれた。

悪夢から半分以上覚めた気分。

しかし、形成術手術に失敗すれば弁置換や他の感染症、最悪死亡のリスクはゼロではないので、残された時間でリサーチは真剣に取り組まなければならない。

 

そして、切開手術が必要な以上、手術前後の拷問級の苦痛は避けられない。術後の痰吸引がかなり気がかり。

自分は慢性鼻炎で常に鼻水が喉に垂れてくるので、歯医者の治療だけでもかなり苦痛に感じる。寝ている時も急に気管に流れ込んで咽て起きることもある。

これが手術直後に起きると想像しただけで怖い。

手術まで時間があるなら、患部を焼くなどして、一時的にでも鼻炎を抑えたい。

 

手術前の検査では「経食道心エコー」というやつが一番気になってる。

まだよく調べてないが、食道から心エコーをするってことは、食道に器具を押し当てるってことを意味し、胃カメラの何倍も強烈なのではないか。。

胃カメラの苦痛は、最近では全身麻酔をしてやってくれるところもあるそうなので、できるだけ苦痛のないやり方をお願いしたい。

医者によっては、「経食道心エコー」をやらないところもあるので、そのあたりも含めて今後のリサーチを進めたい。