弁膜症患者の日記

僧帽弁閉鎖不全症(前尖の逸脱症) を治療する過程

手術入院、手術当日、手術後5日までの記録

手術前入院

手術2日前に入院。

経食道心エコー検査はすでに別の日程でやっていたので、ほかは大した検査なし。

剃毛の指示はなかったが、家で全体的に剃って入院した。手術翌日とかは陰部を拭いてくれるので、その時のためにも剃っておいて正解だった。

 

前日は手術前の説明がたくさん。経食道心エコー検査の結果、どうやら自分の弁や腱索は特殊で割と形成が難しい部類に入ることがわかったらしい。執刀医の先生の話では90%くらいの確率で形成で終わらせる感触。さらに形成が成功しても、術後の経年劣化などによる逆流再発もある程度頭に入れておかないといけない、ということらしい。

手術では、形成→逆流テストを3回まで繰り返すらしい。この1度のサイクルが1時間以上かかる。なので早ければ30分の心肺停止で終了するが、長ければ4〜5時間の手術時間になる。4回以上のトライは身体への負担が大きくなるので、3回目でうまくいかなければ機械弁になる。

 

思ってたより難しい手術になりそうだということが前日になって分かって不安になったが、それでも手術に対する不安は術後の痛みなどに対するものが大半だったので、その点については変わらず、前日は眠剤もなく眠れた。

夕食も普通に食べた。夕食後は、ポカリみたいな経口補水液を500mL渡され、それを朝7時までに飲み干すように指示された。最近の手術ではこうやって術後の脱水症状を緩和するとのこと。

 

手術当日

当日は手術用の服に着替える辺りから緊張し始めて脇汗がやばかった。手術台に自分で上って、いろいろ準備が進み、麻酔で意識を失った。ここまでほぼ苦痛なし。

 

午前10時に手術開始で、最初に目が覚めて時間を聞いた時の時刻が午後10時くらいだった。

 

手術後は朦朧とした意識を取り戻すが、危惧していた脱水症状や気管内挿管はほとんど苦痛ではなかった。胃の管を抜く時に少しオエってした記憶があるが、この時は全体的に意識レベルが低いのでほとんど苦痛はない。

水を飲みすぎたせいか、ゲロゲロっとなったが、このときも突然吐き気がやってきただけで、通常の嘔吐と比べるとほとんど苦痛はなく一瞬で終わった。

結論としては、当日は意識が朦朧としていて何か1つの大きな苦痛に苛まれることはなかったが、体の様々な不自由や不調からくるストレスの総量が大きく、長期的にジワジワ蝕まれるような苦痛だった。

体を動かして寝返りを自由にできないのは初めて経験で、ストレスのあまり、弾性ストッキングをボロボロに破ってしまった。

 

手術翌日

翌日の最大の悩みは、息をするたびに傷が痛んでまともに呼吸ができなくなるということ。このせいでほとんど眠れなかった。これも集中的な苦痛ではなく、長期的にジワジワとストレスが溜まってくる。

そして睡眠不足のせいで次の日のリハビリも調子が入らず、悪循環になった。リハビリと言っても最初は立ち上がるだけ。でも立ち上がると姿勢が変化するので色んな巡りがすごくよくなる実感がある。

 

ベッドではほんのちょっとした 角度や姿勢の違いで劇的に気分が良くなったりするので、そのベストポジションが見つかればしばらく眠りにつける。

 

手術2日後

この日の最大の悩みは痰が咳き込んで眠れなかったこと。手術後に痰が出ること自体は普通のことらしく、同時期に手術を受けた患者はみんな夜中も痰をきるのに必死という感じ。

自分の場合は手術後の痰に加え、慢性鼻炎の中でも喉の奥に常に流れ込んでくる後鼻漏というタイプの疾患をもともともっていて、これも対処しなければならなかった。

手術後に来る痰は一回親玉みたいなのを排除すれば数十分〜数時間は楽になれるが、鼻炎の後鼻漏は数十秒おきに流れてくるので超絶うざかった。

普通なら横向きやうつ伏せに寝ることで回避できるが、この時点では横向き寝ることもできず、椅子に座ったまま寝るしかないという酷い状況だった。

 

手術3日後

前日もよく寝れず、くまもすごいことになっていた。

体調も優れず、立ち上がるだけで不整脈が起きてしまった。

リハビリで自転車をやったが、開始早々不整脈が生じ、中止しても不整脈が止まらなくなった。

自分の不整脈の場合、危険なタイプの不整脈ではないとのことだったが、その日はベッドで横になり抗不整脈薬を点滴。初めての持続的な不整脈でビビりまくっていたが、手術後にはよくあることらしい。

 

手術後4日後

前日は手術後初めてまともにまとまった時間眠れたので、体調がいろいろ回復した。

このころには傷の痛みや痰による呼吸への影響はほとんど軽減しており、がんばれば横向きに寝られる。

ただし、不整脈が起きる前の感覚があって、リハビリやちょっとした姿勢の変化を作るのも億劫になってしまった。

 

手術後5日後

睡眠をしっかりとれたせいか、リハビリもまともに行えるようになってきた。

ブログを書く余裕もこのころでてきた。

 

 

手術1週間後

数日に経食道心エコー検査があり、そこで問題なければ退院できるとのこと。

最後にとんでもないやつがきてしまった。

正直、今回の手術で最大瞬間苦痛は間違いなく経食道心エコー検査だった。前回は途中で目が覚めて散々な思いをしたので鎮静剤の量を考えてほしいと懇願したが、微妙な反応だったので、たぶんまた地獄を見るのだろう。

 

 

苦痛とその対処一覧

  • 経食道心エコー検査による嘔吐反射:鎮静剤量を増やしてもらう
  • 術後消化器が弱っていることによる吐き気、食欲不振:無理して食べない
  • 傷の痛み:鎮痛剤もらう
  • 傷の痛み→息がしにくい→睡眠不足:ベッドの角度をいろいろ変えて楽な姿勢を見つける
  • 傷の痛み→全身でかばうので肩や胃の辺りが疲れる:肩をたたいてもらう
  • 痰→息がしにくい→睡眠不足:横向きで寝れるような姿勢を探す、眠剤をもらう
  • 自由な姿勢をとれない→身体的ストレス→睡眠不足:ベッドを蹴ったり、どこかの筋肉を激しく動かす
  • 不整脈:抗不整脈薬をもらう、無理なリハビリをしない

 

新型コロナの影響で家族の面談が術後1日目しかうけれなかったが、その時の肩たたきがかなりの効果があった。

できれば病院専属のはり・きゅう・マッサージ師があり、有料でいいのでいつでも頼める体制になっていると、睡眠不足解消など回復に大きな効果があるのではないかと思う。